GQとグッチが贈るショートフィルムシリーズ「The Performers」(成し遂げる者たち)の第10幕に登場するのは、ジャック・オーベルジェ。革新的なアプローチで、定義にとらわれないトランスバーサルなテクノを生み出すフランス人ミュージシャンです。
このショートフィルムが撮影されたのは、モロッコのTaghazoutという小さな町の近く。ジャック・オーベルジェが、音を実験し観察するためのスタジオを作ったその地で、映画監督のクロエ・バイイがカメラを回し、ジャックが日常生活のノイズを集めている様子をとらえていきます。金属製のボウルのなかにプラスティックのコマを落とす音やA4の紙を折り畳む音。ジャックはそういった多様な音を録音・編集し、自身のライブパフォーマンスをつくり上げていくのです。
「どんな音でもいったん音楽の中に取り込まれてしまえば音楽になる、という発想が好きです」と話すジャック。「そう考えれば、誰でもこの世界の中に自分の居場所を見つけられると思います。私は音楽を通じて、まだそのことに気付いていない人たちに、この考えを伝えたいのです」
ジャックは単なるミュージシャンではありません。音楽は彼にとって表現手段のひとつにすぎません。「私が音楽をつくるのは、考えを共有し、人々と出会い、世界を旅し、生計を立て、楽しむため。音楽は私の一番大切なものではありません。音楽が重要だと信じることで、よい音楽が生まれるというわけでもないしね。では、一体音楽とは? それを考えることはあまり重要ではありませんね…」
音楽:ジャック・オーベルジェのオリジナル曲
クリップボードにコピー