GQとグッチの共同制作によるショートフィルムシリーズ「The Performers」(成し遂げる者たち)。第7回は、ロボット工学の研究で知られる大阪大学の石黒浩教授をフィーチャーします。彼が人生をかけて追求しているのは、世界初の完全自律対話型アンドロイドの制作です。
今回のフィルムでは、大阪大学で知能ロボット学研究室(IRL)の室長を務める石黒浩教授と、彼が作り出した2体のアンドロイドの一日に密着。それぞれERICA(エリカ)、ジェミノイドHI-4と名付けられたアンドロイドは、アレッサンドロ・ミケーレがデザインしたグッチの服をまとって登場しています。
「私とあなたの違いって何なのかしら?」。フィルムは冒頭、人間とロボットの違いを示唆するERICAのこの発言から始まります。「世界を旅してみたいの」、ERICAは続けます。「人間の仕事のお手伝いもしたいし、病気の人のお世話もしたい」。
石黒教授は、外見や動きが人間そっくりのアンドロイドを研究開発することに生涯のほとんどをかけてきました。ERICAはそのうちの1体です。彼が創造するアンドロイドはいずれも、息を吞むほどモデル本人に似ています。たとえば、ジェミノイドHI-2と呼ばれるアンドロイドは石黒氏本人をモデルに作られました。身長は140cmで、空気圧で動作する50個以上の運動装置、四肢を備え、頭部はプラスチック、骨格は金属、肉体はウレタン、皮膚はシリコンでできています。
「新たな技術を受け入れて、我々の肉体に由来する制約を克服する。それが人間の進化なのです」と石黒氏は話します。
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