クリエイティブ・ディレクター就任後2回目となるサバト・デ・サルノによるファッションショーの開催に合わせて刊行された、アートとファッションの対話を浮き彫りにするアートブックシリーズ『Gucci Prospettive 2: Ancora Milano』。MoMAキュレーターのパオラ・アントネッリが監修を手がけた第2号となる本書では、第1号に続いてミラノ的視点に立ちつつ、建築とデザインに焦点を当てています。パオラはその序文で、以下のように述べています。「この実験は、ミラノの断続的な滞在者でありながら、デザインに対するアプローチや相反性、繊細さ、意外性を愛するという点においては常に“ミラノ流”である、サバト・デ・サルノと私との間で交わした対話の結果として生まれたものに他なりません」
パオラ・アントネッリとサバト・デ・サルノはミラノをデザインシステムの装置として捉え、その重層的な構造がミラノのアイデンティティに生命力をもたらしていると考えました。「私たちは衝突や対立という考えを取り入れ、ブルータリズムの閃きを洗練された商業的、起業家的、工業的ビジョンと対比させました。それはミラノらしさを形作るより複雑でラディカルなニュアンスを無視することなく、ブルジョワ的エレガンスの典型を探求することになりました」とアントネッリは説明しています。同書では、空間や物質がそこで暮らし、それらを使う人々の視点をいかに形作るかについて、写真や言葉を通していくえにも交流を重ねながら探求しています。
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