世界にその名が知られた新聞「The New York Times」のフォーマットを真似た「The New Work Times」。これは上海でスタートした、マウリツィオ・カテランのキュレーションによるグッチの新しい展覧会「The Artist is Present」展のカタログです。
そのカタログには、一般的な新聞記事と同じようにストーリーやエッセイ、その日のニュースや広告などが掲載され、いかにもありそうな話や雑学がちりばめられています。コピーが氾濫している今という時代を探り、現代のカルチャーシーンにおいてさまざまな形で見られるアプロプリエーション(盗用芸術)にフォーカスするという展覧会のテーマに基づき、読者が知っている事柄にひねりを効かせた記事は、どれも思わずコピーしたくなるような誘惑にかられます。例えば、ある記事ではオバマ元大統領が古代エジプトのアメンホテプ4世の生まれ変わりだったらと仮説を立て、別の記事ではチューリップの原産地はオランダではなく中国であると明かしています。ライター、ジャーナリスト、科学者、アーティストによる記事だけでなく、ドッペルゲンガー(誰かの分身)、偽造者、平凡な天才、泥棒による寄稿も掲載されています。このカタログは展覧会の開催期間中(2018年10月11日〜12月16日)、余徳耀美術館内に置かれた新聞販売機で入手できます。
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