ヘッドシェフを務めるアントニオ・イアコヴィエッロの対馬への食材視察の旅が、雑誌『Esquire – The Big Black Book Japan』により特集されました。
2022 年10 月28 日にグランドオープン1周年を迎えたグッチ オステリア ダ マッシモ ボットゥーラ トウキョウ。そのヘッドシェフを務めるアントニオ・イアコヴィエッロは、伝統的なイタリア料理をベースに日本の四季折々の食材や食文化を取り入れたコンテンポラリーなイタリア料理を創り出しています。生産者の思いを大切にする彼が長崎県の対馬で出会ったのが、一般的には食用とされていない魚「バリ(アイゴ)」です。
水産業が盛んな対馬は、約20年前から海藻類の激減し、海藻を食べるバリなどの食害魚が増え、「磯焼け」という藻場の消失が進み生態系が変化している地域です。この問題を知り、アントニオ・イアコヴィエッロはバリを使った料理をつくりました。「バリのマンテカート」と名付けられたアミューズは、鱈のすり身をクリーム状にしたヴェネチア料理「バッカラ・マンテカート」をバリでアレンジし、金箔を添えて仕立てた洗練された一品。バリのマンテカートは、パンの切れ端から生まれたクラッカーに挟まれています。
またこの旅をきっかけに、磯焼けから回復し豊かな海藻とバリが共存する対馬の未来をイメージした「バリのフィッシュ&チップス」も考案。泥岩や砂岩が幾層にも重なる特徴的な対馬の海を囲む地層をポテトフリットで再現し、さらに海藻に見立てたポテトがバリのフライに重なる品は、アペリティーヴォ&バーメニューとして提供されています。
Esquire - The Big Black Book Japan Fall/Winter 2022より
©Shin Igarashi
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