カーラ・バルデラマ(インスタグラム アカウント:
@thiswashollywood)が、ハリウッド名作映画『雨に唄えば』とグッチ2019年春夏キャンペーン「Gucci Showtime」に共通する、「わくわくする楽しさ」を解き明かします。
映画の魅力はなんと言っても、私たちを日常生活から解放し、ありとあらゆる夢と驚きに満ちた世界へと誘ってくれるところにあります。ハリウッド黄金時代のテク二カラーで撮影されたミュージカル映画は、他のどんなジャンルの映画よりもこの魅力を備えていると言えるでしょう。その中でも、夢見心地にさせてくれる映画の究極のシンボルとして、ずば抜けた名作といえるのが、時を超えて愛される『雨に唄えば』(1952年)です。
当時のトップクラスのスター、音楽、演技、歌、ダンス、舞台セット、コスチュームが凝縮された、まさに別世界の体験が味わえるこの映画は、映画製作の最高峰に位置しています。しかし本当の意味でのこの映画の素晴らしさは、ストーリーにあります。サイレント映画からトーキー映画へと移行する時代を描写し、ハリウッドに対するユーモラスな風刺となっているだけでなく、映画の世界の魔力へのトリビュートにもなっているからです。
ドタバタが繰り広げられる多くの初期トーキー映画同様、この銀幕のクラシックも、混沌、フレッシュな才能、純粋な決意が予想外に組み合わされています。この映画の製作は、売れない曲をかかえたプロデューサーが脚本家に大量の楽譜を渡して「映画を書け!」と命令したことから始まりました。主演女優のデビ―・レイノルズは、それまで人前で踊ったことがなく、後に「人生の中で最も大変だったことを2つ挙げるとすると、それは出産と『雨に唄えば』に出演したこと」と語っています。また、主演(監督と振付師を兼任)のジーン・ケリーも製作中に様々な困難に直面し、特に冒頭のダンスを撮影する時は40度近い熱があったと言われています。しかし撮影されたものは、ご存知にように映画史に残る最も素晴らしいシーンのひとつとなったのです。
映画のコスチュームもハリウッド映画の素晴らしさを象徴しています。500点もの目を引くルックは、1920年代を忠実に再現しただけでなく、振付師の厳しい要求(そしてもちろん大量の雨も)をものともしない耐久性を備えていました。映画の検閲を受けた後により挑発的なデザインに変えられた、映画『ブロードウェイ・メロディ』に登場するフラッパースタイルのエメラルドグリーン ドレスなど、すべてが古き良き時代のハリウッドの忘れ得ぬアイコンを思い起こさせてくれるものです。
胸躍るダンスナンバー、美しい音楽、時代を象徴するスタイルによって、映画『雨に唄えば』は、ファンタジーとリアリティとの境界を曖昧にしようとするハリウッドのとてつもない努力を揶揄しながらも、映画史上最高のファンタジーのひとつとして語り継がれています。しかし『雨に唄えば』が今も変わらず愛されているのは、何よりも、この映画が楽しいものだからです。それは同名の主題歌で歌われているように「What a glorious feeling/I’m happy again」(なんて楽しいんだ/またハッピーになれた)なのです。
グッチの2019年春夏キャンペーンでは、この映画と同じ「わくわくする楽しさ」が呼び起こされ、ハリウッド ミュージカルの黄金時代のクラシックデザインと映画の楽しさとを表現することで、この時代にオマージュを捧げています。フリンジが輝くビーズのロングドレスからオーバーサイズのディアマンテ ネックレス、クラシックなテーラリングとルビーレッドのスクエアトゥシューズまで、グッチのコレクションがテクニカラーの鮮やかで華やかな映像の中ではじけ、きらめくダンス、気分が高揚する歌、そして古き良き時代のゴージャスなミュージカルが持つ魔力が映し出されています。It’s showtime!
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